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[書評] 虐殺器官
カテゴリ: 読書
恥ずかしながら、伊藤計劃という小説家を知ったのは比較的最近です。
死後2年経ってからアメリカのSF賞「フィリップ・K・ディック賞」で次点に当たる特別賞を受賞したというニュース(2011年4月)で『ハーモニー 』という小説の事を知ったのですから。

小松左京賞最終候補となった『虐殺器官』で07年にデビュー。(最初の発表は2006年)
翌年、ゲームのノベライズである『METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS』を発表。
そして、 『ハーモニー 』を発表し第30回日本SF大賞するが、翌年の2009年3月、肺がんで逝去。
氏のブログは今でも残されています。
伊藤計劃:第弐位相

"計劃"というペンネームは、あのジャッキー・チェンの映画『プロジェクトA』の原題「A計劃」からとったとの事。
非常に硬い感じのペンネームに、暗いタイトルの小説。
一般受けしないですよね。



ガンの治療を受けながら、病床の中でも、驚異的なスピードで執筆を行っていたそうですから、ご自身の病が著作に影響を与えていたかもしれません。

9.11以降テロが激化した世界。先進国はテロ封鎖のために徹底した個人情報認証とその追跡による管理社会を進めたが、後進国では民族紛争や悲惨な大量虐殺(ジェノサイド)が繰り返されている。アメリカは、軍の特殊部隊を送り各地の紛争抑圧を試みるが、その大量虐殺には必ずジョン・ポールというアメリカ人が関係している。
虐殺を産み出す器官とは何か?
ジョン・ポールは、何故各地で大量虐殺を産み出すのか?


「人間は進化の過程で大量虐殺を誘発する因子を獲得した」という設定、「人は愛する者の為に殺す」という極めて利己的な問題への問いかけ。
なんとなく、最近の放射線騒ぎで、ネット上で言論の放射線をまき散らす方々の事を考えてしまいました。(この小説を読まないと、ちょっと意味不明かな?)

話は全く変わりますが、確か、人間の脳には「神を信じる神経回路」があるそうです。
これは、進化の過程で神を信じることが生き残りに有利で、宗教的な理念なり道徳観なりが人類を繁栄させる事につながったのでしょう。
また、理解出来ない出来事に遭遇した時、人智を越えた存在を認めることにより、その事態を受け入れたり安心したりする事が出来るというのも生存につながる理由として理解出来ます。必ず訪れる死に対する恐怖を乗り越える為にも、神を信じる回路は有効です。

この死を心安らかに受け入れる為に、もしかしたら人間の脳には、コンピューターのOSの終了処理におけるシャットダウン・シーケンスのようなプログラムが備わっているかもしれません。運良く、この終了処理中にも関わらず蘇生したのなら・・・記憶に残っている脳内現象が臨死体験そのもののような気がします。(だから・・・臨死体験はあるかも。)

さて、虐殺器官に話を戻します。
「啓発された残虐行為。生存のための大量殺人。」
現代社会でもジェノサイドはあちこちで続いています。
アフリカ諸国に中南米(麻薬がらみで)、中国ではチベット問題だけでなく金銭目的の不正行為で多くの命が失われています。日本でもオウムの事件だけでなく北九州市の連続監禁殺人事件なんてものもありました。

人間は、本当に虐殺器官を持っているのかもしれませんね。

ps.
この小説に、全て人の活動はライフログに記録されているって設定があるのだけど、考えてみると現在でもソーシャルメディアなんかに何でもかんでも記録している人って多いと思う。監視はされていないだろうけど、考えようによっては怖い世界だよね。

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2011.12.16 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


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