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[書評] イニシエーション・ラブ
カテゴリ: 読書
職場の方が原作者と実は以前同僚だったと聞かされていて気にはなっていたこの映画、やっとAmazonビデオのレンタルで視聴しました。



80年代後半のDCブランドのファッション、流れる当時の音楽、自分の若かりし頃の思い出が蘇りました。

当時付き合っていた彼女との様々な出来事、映画の中の出来事と重なるところが多くて、ヤバいったらありゃしない。
クリスマスイブにフレンチレストランのクリスマスディナーを予約したり、
クリスマスイブではないけれどニューオータニの景色の良いタワーの部屋を予約したり、
ティファニーのオープンハートを贈ったり、
そういう時代でした。

原作物の映画は、大抵原作の方が面白い。
という事で、早速原作を購入し読みました。



書評と言いつつ、ネタバレは書きません。

さて、著者は年齢も近く、80年代後半の描写が懐かしいです。

小説の巻末に「『イニシエーション・ラブ』を理解するための用語辞典」がありますが、この小説に共感できる(面白く感じる)かどうかは、設定を理解出来るかだけでなく、その人の経験に依存するかもしれません。

私の場合、若い頃の恋愛状況が、なんとも小説と重なってしまいます。
そう、色々あったからね。
side-A、side-Bの展開とはもちろん違いましたが。

映画のラストはヤラレタ感。けれど小説のラストは余韻を感じます。
断然原作の方が良いですね。

乾くるみさんの小説を、もう少し読んでみようかな。

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2016.03.15 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


[書評] ハーモニー
カテゴリ: 読書
先日発表された芥川賞。
田中慎弥さんの不機嫌受賞会見が話題となりましたが、私が注目したのは円城塔さん。
まさしく理系のSF作家で、純文学なんか関係無いと思えたので、今回の受賞はちょっと驚きです。

円城塔さんは受賞会見で、伊藤計劃さんの絶筆「屍者の帝国」を引き継ぐとおっしゃっていました。
どんな作品に仕上がるのでしょうか?楽しみです。

さて、伊藤計劃さんの書いた長編は3冊だけ。
「METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS 」はゲームのノベライズですから、オリジナルの長編は「虐殺器官」と、この「ハーモニー」だけとなります。



この「ハーモニー」は、<大災禍>という人類滅亡の危機から、世界は健康と命を第一に考える医療福祉社会に生まれ変わった、政府ではなく生府が管理する社会の物語。
「虐殺器官」の続編とは書いていないけど、読めばイメージ的につながります。

人々は、体に医療的監視システムWatchMeをインストールし、完全に身体は管理され、病気(遺伝的で避けられないものを除いて)になる事は無い。
個人情報は全てタグ付けて公開し、プライバシーという概念が無い。
健康と命が第一、タバコや酒、カフェインなどの嗜好品は規制されている。
人の命は公共物である「人的リソース」。他人の命も自分の命も社会のインフラであり、傷つける事は出来ない。

紙の書籍はデッド・メディア。
全ての情報は電子化され、管理され、プライバシーという概念は存在しない。

戦争がない社会。
人々が共に助けあう社会。
病気の無い社会。

イジメも売春もFuckという英単語すらすでに消滅している。

ある種のユートピア。

十分、これだけでも怖いでしょ。

ラストは・・・ハーモニーです。


ところで、似てません?
今の社会の進み具合。

・電子化されクラウド化されていく情報 (紙等の物体のメディアはデッド・メディア)
・様々な判断がアウトソーシングされていく (何でもクラウドの先に調べてもらう)
・全ての個人情報はタグ付けされ、公開されている (SNSだけでなく)
・自然な物が一番、健康が最優先 (ちょっとでも危ない物は排除、拒絶、敵視)
・そして。。。同調圧力 (KYは叩かれる)

僕は・・・自分らしくいたいな。

2012.01.20 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


[書評] 虐殺器官
カテゴリ: 読書
恥ずかしながら、伊藤計劃という小説家を知ったのは比較的最近です。
死後2年経ってからアメリカのSF賞「フィリップ・K・ディック賞」で次点に当たる特別賞を受賞したというニュース(2011年4月)で『ハーモニー 』という小説の事を知ったのですから。

小松左京賞最終候補となった『虐殺器官』で07年にデビュー。(最初の発表は2006年)
翌年、ゲームのノベライズである『METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS』を発表。
そして、 『ハーモニー 』を発表し第30回日本SF大賞するが、翌年の2009年3月、肺がんで逝去。
氏のブログは今でも残されています。
伊藤計劃:第弐位相

"計劃"というペンネームは、あのジャッキー・チェンの映画『プロジェクトA』の原題「A計劃」からとったとの事。
非常に硬い感じのペンネームに、暗いタイトルの小説。
一般受けしないですよね。



ガンの治療を受けながら、病床の中でも、驚異的なスピードで執筆を行っていたそうですから、ご自身の病が著作に影響を与えていたかもしれません。

9.11以降テロが激化した世界。先進国はテロ封鎖のために徹底した個人情報認証とその追跡による管理社会を進めたが、後進国では民族紛争や悲惨な大量虐殺(ジェノサイド)が繰り返されている。アメリカは、軍の特殊部隊を送り各地の紛争抑圧を試みるが、その大量虐殺には必ずジョン・ポールというアメリカ人が関係している。
虐殺を産み出す器官とは何か?
ジョン・ポールは、何故各地で大量虐殺を産み出すのか?


「人間は進化の過程で大量虐殺を誘発する因子を獲得した」という設定、「人は愛する者の為に殺す」という極めて利己的な問題への問いかけ。
なんとなく、最近の放射線騒ぎで、ネット上で言論の放射線をまき散らす方々の事を考えてしまいました。(この小説を読まないと、ちょっと意味不明かな?)

話は全く変わりますが、確か、人間の脳には「神を信じる神経回路」があるそうです。
これは、進化の過程で神を信じることが生き残りに有利で、宗教的な理念なり道徳観なりが人類を繁栄させる事につながったのでしょう。
また、理解出来ない出来事に遭遇した時、人智を越えた存在を認めることにより、その事態を受け入れたり安心したりする事が出来るというのも生存につながる理由として理解出来ます。必ず訪れる死に対する恐怖を乗り越える為にも、神を信じる回路は有効です。

この死を心安らかに受け入れる為に、もしかしたら人間の脳には、コンピューターのOSの終了処理におけるシャットダウン・シーケンスのようなプログラムが備わっているかもしれません。運良く、この終了処理中にも関わらず蘇生したのなら・・・記憶に残っている脳内現象が臨死体験そのもののような気がします。(だから・・・臨死体験はあるかも。)

さて、虐殺器官に話を戻します。
「啓発された残虐行為。生存のための大量殺人。」
現代社会でもジェノサイドはあちこちで続いています。
アフリカ諸国に中南米(麻薬がらみで)、中国ではチベット問題だけでなく金銭目的の不正行為で多くの命が失われています。日本でもオウムの事件だけでなく北九州市の連続監禁殺人事件なんてものもありました。

人間は、本当に虐殺器官を持っているのかもしれませんね。

ps.
この小説に、全て人の活動はライフログに記録されているって設定があるのだけど、考えてみると現在でもソーシャルメディアなんかに何でもかんでも記録している人って多いと思う。監視はされていないだろうけど、考えようによっては怖い世界だよね。

2011.12.16 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


[書評] 西の魔女が死んだ
カテゴリ: 読書
とある方から梨木香歩さんを是非読むべきというご推薦をいただき、実はどんな本を書いているかも知らずに書店で文庫を探してみたら・・・なにやら聞いたことがあるような書名があるではありませんか。

『西の魔女が死んだ』


ちょっと「魔女の宅急便」を想起させるような題名。
多くの児童文学賞を受賞している作品で、今更私の様なオジサンが読むべき本では無いのかもしれないけど、娘とシェア出来るし、という理由から購入したのでした。

あまりにも有名な作品で映画化もされているので、ご存じの方も多いでしょう。
比較的短い小説ではあるけど、短いお話だからこそ、読んだ人それぞれが様々な感想を持つであろう作品です。

魔女?

最近、色々な所で「魔女」って言葉を聞きますよね。
日テレでは「魔女たちの22時」なんて番組で、様々な方面で活躍するスペシャリストを紹介していますね。美魔女なんていうビックリするような方々もいらっしゃいます。

この小説の魔女とは、主人公「まい」の母方のおばあちゃん。
おばあちゃんは魔女の血筋であり、自然についての知恵や知識を受け継ぎ、物事の先を見通す能力を持っているのです。
まいは、魔女修行という名目で田舎で自然と触れ合い、様々な家事を体験していきます。

魔女としての基礎体力を付ける為の修行は、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力、そういう生きる力を養うためのもの。
家事を便利にする道具がそろっていないため、洗濯はタライと洗濯板、ジャムは手作り、卵も飼っている鶏から。豊かな自然の中での暮らしが魔女修行なのです。
悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。
自分らしい生き方を大切にする、健全な強い意志を育てる修行なのです。

とある自由な校風で知られる女子中高一貫校の教育指針のなかに「真の自由を追求するためのアイディンティティの確立と 真理の追究」というのがあります。
自分で考え、自分で判断し、自分の行動に責任を持つ。
時には自分の自由を抑えて行動することも必要、自分の自由を主張することが他人を不自由にすることがあってはならない。
とても共感出来るし、納得のいく教育理念です。

私は子どもの頃、父から「他人に迷惑をかけない。自分の事は自分で責任を持つ。」の二つの事をよく言われたものです。

この小説を読んで、そんな事を思い出しました。


さて、人間が死んだらどうなるのか?という死生観にもつながる、おばあちゃんの最後の言葉。とても素敵なラストです。

2011.12.12 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


[書評] 十二国記シリーズ
カテゴリ: 読書
友人から小野不由美さんの小説『十二国記』シリーズを借りて読みました。
異世界のファンタジー小説で、9年ほど前にNHKでアニメ化された(知らなかったけど)ほど、人気のある小説のようです。
なんとなく古代中国思想みたいなテイストで、マンガの『ふしぎ遊戯』みたいな世界を想像していたのですが全く違います。小野不由美さんの書く小説って、基本的にホラーなんですよね。





『魔性の子』
『月の影 影の海』(上/下)
『風の海 迷宮の岸』(上/下)
『東の海神 西の滄海
『風の万里 黎明の空』(上/下)
『図南の翼』
『黄昏の岸 暁の天』
『華胥の幽夢』

の11冊を一気に続けて読みました。

『魔性の子』は、十二国記本編が発表される前の作品のホラー小説なのですが、既に異世界である十二国の世界観がしっかりと作られてた事が分かります。(ホラーだから少々残酷です。)
そして『月の影 影の海』で、普通の女子高生だった陽子が異装の男ケイキにより強引に異世界に連れて行かれ、十二国の世界が始まるのです。

この十二国の世界設定はなかなかユニークです。

・絶対王政、王の統治いかんで国は栄えたり逆に妖魔がはびこり衰えたりする
・王は世襲制ではなく、神獣である麒麟(きりん)が天意に従い王を選ぶ
・王の下に諸侯や官吏がおり、統治の実態は官僚が国を治める
・王や一部の高位の官は基本的に神仙として不老長寿だが、決して不死ではない
・他国への軍事干渉は天意によって厳しく禁止されている
・王が道を誤ると失道となり、不治の病でほどなく麒麟は死に、麒麟が死ねば王も死ぬ


物語の基本は、麒麟に選ばれた王がどう国を統治していくのか?王の存在とは何か?天意とは何か?
異世界のファンタジーでありながら、重たい話です。

乏しい資源、荒れた土地故に少ない作物、財政的に決して豊かとはいえない国をどう立て直して行くのか?
税を軽くすれば国庫が乏しくなり、国の活動に支障をきたし国が荒れる。
税を重くすれば民が苦しみ、また国が荒れる。
官吏の横暴は国を荒らすが、厳しい処分をして厳正な国にしすぎると、やはり国は傾く。
王が不在ではいけないが、王のリーダーシップが過ぎてもいけない。

読んでいると、現実世界の日本の事を色々考えてしまいます。

ところで、十二国記の設定で面白いのが、人も動物も全て木の実から生まれると言う事。
子供が欲しいと願う夫婦が「里木(りぼく)」と呼ばれる特別な木の枝に願をかけて、紐を結ぶ。願いが届けば、そこに「卵果(らんか)」と呼ばれる実がなるのです。
そう、まさしく子は天からの授かり物なのですね。(それなのに夜の営みはあるようです。)


最近、女性作家の小説にはまっています。
新井素子さん、有川浩 さん、上橋菜穂子さん、杉浦日向子さん・・・宮部みゆきさんも昔読みました。
今興味があるのは坂東 眞砂子さん。「死」と「性」を主題とした作品が特徴らしいです。

女性の視点でのファンタジーやホラーって、人の心をきちんと描いていて、本当に面白い(怖い)です。心理描写を男が描くのは難しいのかもしれません。(男は女の心理なんか分からんのよね、バカだから。)

2011.10.21 / コメント:: 0 / トラックバック:: 0 / PageTop↑


プロフィール

あっちゃん

Author:あっちゃん
酒を飲みながら読書するのが好きな、ただのオヤジです。
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